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パラリンピック~「苦しいのも人生」 [ニュースより]

連日のように報道され賑やかだったオリンピックが終わり、
引き続き始まったパラリンピックも、今日が最終日。
オリンピックのときには、あれほど”金メダル”だの”メダル獲得~”などと
さかんに放送されてたのに、パラリンピックで日本選手が金メダルを獲得しても
それほど大騒ぎしないのは、なぜなのかな。
パラリンピックが、まだそれほど世間に浸透してないからなのだろうか。
それでも、新聞やテレビなどで選手のことが取り上げられることも
以前よりは増えてきたようではあるけれど。。

そういう自分も、冬季パラリンピックについてはあまり詳しくない。
だけど、テニス好きということもあって、夏季パラリンピック競技、車いすテニスには関心がある。
この競技の第一人者は、なんといっても、日本を、いや世界を代表する、国枝慎吾選手。
夏季のパラリンピックだけでなく、グランドスラムでもいつも大活躍。
あの素晴らしいプレーをみていると、彼が障害をもっていることなど忘れてしまうほど。
いやむしろそれどころか、華麗な車いす捌きや、座ったままの姿勢で打ち込む鋭いショットなど、
相当な技術と、腹筋や背筋、腕などの筋力が必要とされる、
国枝選手だからこそできる、国枝選手しかできない。。まさにスーパーアスリートだ。
ここまで到達するのに、どれほどの努力をされてきたことだろうか。

数日前に、何気なくアルペンスキー大回転をテレビでみていた。
最初に滑ってきた選手は、片足での滑降。
片足でスキーを履いての回転は、さぞかし重心がとりにくいだろうに、実に器用に滑っている。
次に滑り下りてきたのは、義足の選手。
その次には、片手の選手が。
義足の選手より、片足の選手の方がハンディーが大きいと思われるのに、
いっしょに競い合うのは不公平なのでは、と思っていたところ
どうやら、それぞれのハンディーに応じて、あらかじめ得点が考慮されているとのこと。
私なんかが心配しなくても、ちゃんと上手く考えられてるんですね。
ハンディーの種類や程度が違ってもそれぞれが力を出すことができる、
いろいろなところでサポートをする人たちがあってこそなのだなと、ここでもまた感心。。


18日付中日新聞朝刊に、女子アルペンスキー大回転座位で4位になった、青木選手のことが、写真入りで詳しく取り上げられていた。
記事中に書かれていた彼女の言葉。


「楽しいのも、苦しいのもすべて人生」だと思っている。

3位との差はわずか0秒09。にもかかわらず
「こんなもんですね。この悔しさも楽しもうと思います」
と笑う。

青木選手は度重なる困難に出会ってきた。
高校卒業後にひざの手術。その際の麻酔の影響で右足が麻痺。
立位でスキーを続けるが、数年後大けがのため、いったんスキー板を置く。
その後、結婚わずか4年で夫を病気で亡くす。

「大切なのは悲しいと取るかどうかなんですよ。」

そして再び、座位でのスキーに挑戦。
パラリンピック長野大会で銀メダル
トリノ大会で銅メダル
今は、まだ手にしていない金メダルを目指して、次を見据えているのだという。



試練への挑戦を生きるエネルギーに変えてきた人。
青木選手の不屈の精神もすごいが、彼女の語る言葉がまたすごい。
最初と最後の言葉は、なんとか自分にもわかる。
いつもいつもそう思えているかと言うと、そうでもないけれど
とりあえず、頭では理解できる。
でも、真ん中の言葉、楽しもうと・・などとはなかなか言えることではないと思う。
悔しい気持ちというのは、競技者にとっては、新たなエネルギーにも
繋がっていくものではあるのだろう。
だけど、普通は苦しいとか辛いとかいった気持ちに繋がるような、どちらかといえばマイナスイメージの感情であって、楽しむというような感情ではないと思う。
それを、楽しもうと思う、とさらりと言ってしまうとは・・
なんて大きな人なんだろう。

これまでには、きっとさまざまな感情の葛藤もあったことだろう。
そういう過程を経て、青木選手は今、このような心境に至ったのだろう。

理不尽な運命を思い、苦しく悲しい気持ち、恨みなどいろいろなマイナスの感情、
やっと受け入れることができるようになってきたかなとおもうこのごろ
受け入れるのがやっとで、楽しむなんてことはなかなかできない。
いつかは、自分にも”楽しもうと思う”と言える日が来るのだろうか。。

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