桜の季節 [思い出]
今年もまた桜の季節になりました。
暖冬といわれ、例年以上にはやく咲き始め
3月の終わりには散ってしまうだろう
と予想されていたのですが・・・
3月の終わりから4月の初めにかけてまた寒くなったために
桜の花は予想外に長く、咲き続けてくれました。
今週の初めには、あちこちの学校で入学式が行われましたが
この時期に合わせたかのように、桜がいっせいに花開かせていました。
昨年は沙織の高校入学だったのですが
今年は1年から2年に進級。
高校生活ももう3分の1が過ぎたというわけです。
中学よりも高校に入ると、もっと早く時間が過ぎてしまうよ。
とよく聞いていたのですが、ほんとうにそのとおりだなとも思えてきます。
晴香が元気でいて、大学に通っていたなら
この4月で3年生になるところ。
そろそろ就職活動を始める時期なのでしょうか。
今年もみごとな桜を眺めながら、想い出すのはやはり晴香とともにみた桜のこと。
今はもう護岸工事がされてほとんどなくなってしまったのですが
当時、堤防沿いにはたくさんの桜の木があり
退院後自宅で療養中だった晴香とともに、暖かな日の午後
桜の木の下を、いっしょに歩いたものでした。
長い間の病院生活の後だったせいなのか、いつもの年以上に桜の花が美しく感じられました。
同時に、来年の桜を一緒に見ることはできるのだろうか・・
そんな不安も心の中をよぎっていました。
命を惜しむかのように一生懸命に咲いている桜の花が
晴香の姿と重なってみえます。
儚い桜の花をみて、晴香とともに過ごしたことおもいだすのは
切ないけれど、それでも大切な思い出の一こま。
忘れてしまうのはもっと悲しい。
だから、これからもずっと自分の心の中にしまっておこう。