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「悲しみがやさしくなるとき」 [本(その他)]

先日自由書房にふらりと立ち寄ったときに
ある1冊の本が目にとまりました。
「悲しみがやさしくなるとき」
副題には子どもを亡くしたあなたへ
とありました。

この間の日記にはつぎは飯田さんの本でも・・・
と書いていたけれど、先にこちらの本が読みたくなり
購入してしまいました。

子どもを亡くされたたくさんの方、
そしてその言葉なども紹介されていました。
リンカーン、リンドバーグ、ケネディ・・・
いつの時代でも、子どもを亡くすということは
その親にとって、世界がひっくりかえるほどの大きな悲しみをもたらします。

書いてあることの一つひとつがどれもみな、心当たりのあることばかり。
まるで鏡かなにかで心の中を映し出されているかのようでした。

「私たちが子どもの死にこれほど打ちのめされる理由は何でしょう?
最もわかりやすい理由はおそらくこうです。生物に共通する自然の法則によって両親や配偶者の死に対する心構えはできていても、子どもの死に対する心構えはできていないのです・・・・」

医療が発達した現代では、人の「死」は、どこか遠くにあるもの
ましてや自分より若い子どもにも、縁のないもの
心構えなどできているはずなどないのです。
だから、子どもになにかあれば、天地がひっくり返ってしまうようなおもいにもなるのです。

「もう一つの理由として考えられるのは、子どもを保護すること、子どもの安全を守ることが親の務めに含まれているということです。
子どもの死は悲しみをもたらすばかりでなく、ちゃんと守ってやることができなかったという罪の意識をもたらすことがあります・・・」

子どもを亡くした後に罪の意識に苛まれるのは、親としての自然な感情からだったのですね。
私自身もおぼえがあります。
その時は、なんだかよくわからないままもやもやとしているばかりだったけれど。。。

他者(他人および家族など)との関係において感じる、違和感や戸惑い、すれ違い
などなど、他にも自分自身が感じたり、悩んだおぼえのあることも
たくさん書かれていました。

「お子さんは何人?」
と聞かれた時に、一瞬どう答えようかと戸惑う気持ち。
これも、まさに自分が感じた戸惑いそのもの。
(たしか自己嫌悪というタイトルで日記にも書いていたと思うけれど・・)

他にもたくさん、
これまで自分が感じてきたことが、そのままそっくりと書かれているようで
驚きと、なんだかわからないけれど安心感と(たぶん自分の感じてきたことが自然なことなのだとわかったから?!)をあたえてくれた本でした。

この本のほかに、またまた池田晶子さんの本を購入してしまいました。
「暮らしの哲学」と「残酷人生論」の2冊。
飯田さんの本はその後で。



悲しみがやさしくなるとき―子どもを亡くしたあなたへ

悲しみがやさしくなるとき―子どもを亡くしたあなたへ

  • 作者: エリザベス メーレン
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2001/08
  • メディア: 単行本


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コメント 6

E・G

こんにちは。
残念なことですが、自分が経験したことの無い苦しみ、悲しみを心の底からわかるということは、誰にとっても困難なことですね。

以前、職場にお子さんを亡くされた方がいました。
その方が職場復帰をされて数ヶ月たったころですが、出産休暇をとっていた職場の別の女性が乳母車に赤ちゃんを連れて突然やってきたのです。
友人たちに我が子を見てもらいたかったのでしょう。
職場の女性たちは全員乳母車を囲んで「かわいい」を連発していました。
お子さんを亡くされたその方も顔は笑顔でその輪に加わっていましたが、ぼくは胸が痛くて、まともに彼女の顔を見ることができませんでした。
なんて無神経な!とそのとき思いましたが、別の時であればぼくもただその光景をほほ笑ましく見ていただけだったでしょう。
この瞬間にも、どこかで子どもを亡くして悲しまれている方がいるとまではなかなか想像できなかったに違いありません。

そうなると「この気持ちをわかってほしい」という思いだけで他のひとに共感を求めても困難なことがわかってきますね。
個々の悩み苦しみを超えて、ひとが存在するその深いところで触れ合えなければ(それもまた困難なことですが)友愛も意味を持たないのでしょう。

「残酷人生論」の残酷には悩んでなんかいられない、という意味が込められているようでした。
もう読み進められましたか?ぼくはやっと半分です(笑)
「暮らしの哲学」ともども、いつかここに感想を書いてください。
by E・G (2007-09-15 21:38) 

はるママ

こんにちは、E・Gさん。

自分が経験したことのない苦しみや悲しみというのは、想像することはできても
ほんとうの意味でわかるということはできないのでしょうね。
以前は、まわりの人が何気なく言われたことに
心を痛めたり、落ちこんだりしたこともありました。
でも、このごろは
相手の方も悪気があって言っているのではないのだから
気持ちがわからないだけなのだから
そう思って、自分の心をロックして、あまり深く考えないようにしています。

そういう自分も、経験していないことはわからないから
どこかで、人を傷つけているのかもしれません。

相手の方の気持ちをほんとうの意味で理解することはできないかもしれないけれど
想像力を働かせて理解しようと努力していくことは、大切なことなのでしょうね。

「残酷人生論」
まだ、ほんの数十ページ読んだだけです(笑)
感想が書けるほどに、しっかり読みこめればいいのですが・・・
私の場合、なんとか読むのが精いっぱいで(^^;)
E・Gさんのほうこそ、読み終えられたら、是非感想を聞かせてください。
by はるママ (2007-09-17 11:36) 

茶鰐

はじめまして。私もこの本に救われた一人です。
今日、病院で知り合ったお母さんにこの本のことを紹介したくて、よい紹介文を探していてこちらにたどり着きました。
はるママさんの文章は、私の気持ちにぴったりきて共感しました。
今後も訪問させていただきます。よろしくお願いします。
by 茶鰐 (2008-01-26 14:19) 

はるママ

茶鰐 さん、はじめまして。コメントありがとうございました。

日記にも書きましたが、私がこの本とであったのは
娘を亡くして、4年あまりも経ってからのことでした。
自分が悩んだり、迷ったり、つらい思いをしてきたこと
その多くのことと同じことがこの本には書かれてありました。
子供を亡くしたあとに感じるさまざまなことも、自然なことなのだという
安心感を与えてくれるとてもよい本ですね。
もっとはやくこの本とであっていればよかったのに・・・とも思いました。

これからも、どうぞよろしくおねがいします。
by はるママ (2008-01-27 22:04) 

雅人ママ

初めまして。
主人が、悲しみが優しくなるときの本について感想などを探していたところ、こちらのブログにたどりつきました。
主人のブログhttp://takesaotakeyan.blog51.fc2.com/に本の紹介を書くのにはるままさんのブログを引用させていただきました。その前にご挨拶をしようとしたようですが、画像認証が読めず・・・私が代わりにコメントさせていただきました。
ご挨拶遅れてすみませんでした。
私たちは去年息子と会えなくなりました・・・
悲しいご縁ですがまた訪問させてください・・・
by 雅人ママ (2012-10-22 22:46) 

はるママ

雅人ママさん、はじめまして。
ご報告、どうもありがとうございます。
引用の件、了解です。
この本は、娘を亡くした後に読んだ本の中でも、とくに印象に残っている一冊なので、少しでも多くの人に、この本のことを知っていただけたなら幸いです。

雅人ママさんが、こちらのブログにコメントを書いてくださったのも、きっと何かの縁なのでしょうね。(たしかに悲しいご縁です・・・)
見ての通り、更新はたまにしかしてないゆっくりモードのブログですが、よろしければいつでもまたいらしてください。
ご主人のブログにも訪問させてもらいますね。

by はるママ (2012-10-23 23:24) 

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