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放射線治療 [晴香との思い出の記録]

晴香の日記は3年前の4月1日から始まっています。
スキャナーには失敗しましたがデジカメで写してみたらなんとか読めるようです。


晴香の腫瘍は神経膠種の一種で
手術によって全てを摘出することは不可能でした。
それで手術のあと、傷が癒えるのを待ってから
放射線治療を行うことになりました。

最初の放射線治療は3月4日に始まりました。
治療自体はわずか数分間の放射線照射でしたし
それ自体が痛いというものではありませんでした。
しかしこの病気になってから晴香は、手術の前も後もなぜか
異常に暑がったり、せまいところに閉じこめられることや
長い間じっと座ったりしていることが辛いと感じるようになってしまいました。
脳圧が高くなっているせいなのか、どういうわけなのか
理由ははっきりとはわかりませんでしたが。
治療を受けるために狭くて高い台に寝かせられ
落ちるといけないということで体をひもで固定され
しかも顔をセラミックのようなもので覆わなくてはなりません。
平静なときなら耐えられることなのでしょうが
あのころの晴香にとっては随分と辛いことだったと思います。

最初は動くと危険だからということで
麻酔を使ってこの治療を行っていましたが、
麻酔を使う間は、入院していなくてはなりませんでした。
担当医も放射線の技師の方々もそして付き添っている私も
なんとか麻酔なしで治療ができるようにならないものかと
みんなで試行錯誤しながらの毎日でした。
晴香の好きなkinki kidsのテープをもちこんで流してもらったり
保冷剤などで体を冷やしてみたり
「お母さん ここから話しかけてあげてください」
といわれてマイクを借り、治療のあいだずっと晴香に呼びかけたり
いっしょに数を数えたりしてみたり。
なんとかしてという思いで体にもずいぶん力が入っていたのでしょう。
いつも治療が終わると なにも治療を受けていない私も
汗ビッショリになっていました。

普通だったらさっさと麻酔薬打って治療されてしまうのかもしれません。
何とかして麻酔なしで治療できるようにして退院したい
そういう私たちの意を酌んでくださって
担当医の先生も技師の方々も声をかけてくださったりいつまでも待ってくださったり。
私たち親子を温かく見守ってくださったこと
ほんとうにありがたいことだったと感謝しています。

治療を受けている間にもだんだんと晴香は回復してきて
次第に自分からがんばろうという意志も芽生えてきました。

「桜が咲く頃にはこの治療も終わるね」
そう話していたとおり 治療が終わった4月1日頃は
あちこち桜が綺麗に咲き始めていました。 
この日記にある4月2日には
治療後のMRIとCTの検査がありました。
ほんとうによく頑張った晴香。
自分で自分に拍手をおくりたいという言葉に
たくさんの思いがこめられているように感じます。


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ゆかりん

こんにちは。
晴香ちゃんの日記を読ませて頂きました。
涙が出てきてすぐにコメントが書けませんでした。
本当に治療を頑張ってきて自分に拍手の気持ちがわかります。

ゆうたは自分の思いを書いたりすることはありませんでしたが・・・・。
たまにMRIの検査のことを寝ていれば終わるから怖くないよと
言っていました。(薬なしで出来ていました)
一度もいつ治るのかともいいませんでしたし・・・。
どんな気持ちでいたのかな?

はるままさんブログでついいろいろ書いてしまいました。
ごめんなさいね・・・。

またいろいろなお話をさせてくださいね。
by ゆかりん (2006-04-24 11:02) 

はるママ

ゆかりんさん
ゆうた君、まだ小さいのにがんばったんですね。
以前ゆかりんさんの日記に、ゆうた君がまずい薬をがんばって飲んだこと
書いて見えましたが、あの薬って脳圧を下げる薬のことですか?
あの脳圧下げる薬、大人でも飲めない人がいるくらいまずいそうです。
晴香もあの薬が飲めたら退院できると言われて
がんばって飲んでいました。

ゆうた君も晴香もほんとに健気にがんばったのに
どうしてなのかなって考えれば考えるほど切なくなるよね。

また、いつでもお話しくださいね。
私もまたそちらにおじゃまします。
by はるママ (2006-04-24 21:37) 

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