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「私とは何か」 [池田晶子]

この本が発行されたのは、ちょうど1年ほど前のこと。
「魂とは何か」「死とは何か」との3部作として出版されたうちの1冊。
他の2冊は発売後すぐに読んでいたのですが、この本だけはまだ読んでいませんでした。

この「私とは何か」の中で、とくに印象に残ったのが
最後の「空を飛べたら」
これは、池田さんが小学校6年生のときに書いた作品なのだそうです。
著者本人が
”私は非常に作文が好きだった。しかも、うまかった。自分で言うのもなんですが”(P.113)
というだけあって、この作品も、小学校6年時に書かれたとは思えないほどのすばらしい出来栄え。
いろいろな鳥がでてきたり可愛らしくて、ほのぼのとしていて
それでいて何か考えさせてくれるような深いものがあって、
なんとなく宮沢賢治の童話を読んでいるような感覚にもなりました。
実際、賢治の童話集の中で、私のお気に入りの1つでもある「気のいい火山弾」に、
通じるものがあるように思えました。

最後の、「編集事務局・記」(P.247)の中に、次のように書かれていました。

・・・・・・独自に開拓した日本語による「メタフィジカルエッセイ」に加えて、「メタフィジカル物語」を構想していた著者の夭折がなければ、その仕事の先には、物語世界の広大な沃野が展けた可能性があった。読者にとってこの作品が、その可能性の一端を想像するよすがとなれば幸いである。・・・・・

池田さんが書かれる「メタフィジカル物語」
是非に是非に読んでみたかった
ああ、残念でならない。。



私とは何か さて死んだのは誰なのか

私とは何か さて死んだのは誰なのか

  • 作者: 池田 晶子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/04/02
  • メディア: 単行本



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