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ある少女の選択  ~“延命”生と死のはざまで~ [テレビ番組(ドキュメンタリーなど)]

昨晩のNHKクローズアップ現代は、延命治療について考えさせられる内容でした。
地上波民放に魅力ある番組が少なくなっている中で、NHKは時になかなかよい番組を放送してくれますね。
クローズアップ現代もいつも見ているわけではないのですが、この日たまたまスイッチをつけたところ、
画面に映し出されている少女の姿や彼女の綴る言葉に、最後まで釘づけになってしまったのです。

以下、番組HP「ある少女の選択 ~“延命”生と死のはざまで~」より (http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2977

『腎臓の「人工透析」30万人。口ではなくチューブで胃から栄養をとる「胃ろう(経管栄養)」40万人。そして、人工呼吸器の使用者3万人。「延命治療」の発達で、重い病気や障害があっても、生きられる命が増えている。しかしその一方、「延命治療」は必ずしも患者の「生」を豊かなものにしていないのではないかという疑問や葛藤が、患者や家族・医師たちの間に広がりつつある。田嶋華子さん(享年18)は、8歳で心臓移植。さらに15歳で人工呼吸器を装着し、声も失った。『これ以上の「延命治療」は受けたくない』と家族と葛藤を繰り返した華子さん。自宅療養を選び、「人工透析」を拒否して、9月、肺炎をこじらせて亡くなった。華子さんの闘病を1年にわたって記録。「延命」とは何か。「生きる」こととは何か。問いを繰り返しながら亡くなった華子さんと、その葛藤を見つめた家族・医師たちを通じて、医療の進歩が投げかける問いと向き合いたい。』

華子さんは声を失っているため、筆談によって家族や医師とコミュニュケーションをとっていました。
「長く生きることが大切なのじゃないよ、どう生きるのかが大切。」
「もう十分にがんばってきた。天国はごくろうさんの場所だから。気持ちは変わらない。。」
少しでも長く生きていてほしいと願い説得をする家族へ向けての、華子さんのメッセージ。
死を前にして、何と落ち着き払った姿なのだろうか。
何十年も十分に生きてきた大人でさえも、未知なる死を前にすれば
怖くもなり、少しでも長く生かせてほしいと願うことも多いというのに。
死は怖くないのかという問いに、彼女が答えたこと、
「こころはのこるから。こころはなくならないから・・」
これが、わずか18歳の少女の言葉なのだろうか、なにか信じられないような気持になりました。
そして、このような言葉を言わしめるとは、彼女の歩んできた道のりがいかに険しいものだったのかと
ほんの少しだけ思いがめぐらされるような気もしました。

彼女の揺るがぬ決意を受け入れたご家族や見守ってきた医師、
どれほどにか辛かったことでしょう。
親であれば、少しでも長く子どもに生きていてほしいと願うのはあたりまえのこと。
それでも、子どもの気持ちを受け入れられたご家族は立派だとおもうのです。

難病・・延命・・そして、治療の選択
医療の場では、究極の選択をせまられるときがあります。
私自身、晴香が最後に入院したとき、つらい厳しい選択をせまられることがありました。
再手術、そして人工呼吸器・・
後になって、あれでよかったのか、と心が揺れることもありました。
番組を見ながら、華子さんやご家族の姿を見ながら、その頃のことが思い出されて
涙がこぼれて仕方がありませんでした。

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あきおパパ

はるママさん、こんばんは。
昨日のクローズアップ現代をご覧になられたのですね。
私も息子と夕飯を食べながら、いつものように見始めました。
でも華子さんのつらい姿に、また華子さんを看病している
ご両親の気持ちを思うと、見ている私も辛かったです。

はるママさんも、つらく悲しく苦しい記憶がよみがえり、
見ていてとても苦しかったことでしょう。
でも、華子さんの気持ちと晴香さんの気持ちが重なり、
ご両親とはるママさんの気持ちが重なり、
きっと目を離すことができなかったのでしょうね。

肺炎をこじらせ、もう余命の短い華子さんが、
「感謝しなきゃいけない」とメールをする姿をみて、
私も涙が止まらなくなりました。

晴香さんも、療養生活を続けながらも、
修学旅行に参加したり、ご家族と旅行もできました。
その楽しかった記憶を思い出しながら、
きっと「ありがとう」と感じていたことでしょうね。

「こころはのこるから、こころはなくならないから・・・」
亡くなる人のこころは、天にのぼるとともに、
愛する人の心の中にも、ちゃんとのこります。

はるママさんの心の中の晴香さんが、
いつも微笑んでいてくれますように

ではまた。

by あきおパパ (2010-12-10 00:31) 

はるママ

あきおパパさんも、息子さんといっしょに、この番組をご覧になっていたのですね。
最後の方に、細谷亮太先生が登場されてましたね。
もう少し長くお話をお聞きしたかったのですが、短い番組の中では
あれが精いっぱいだったのかもしれません。
細谷先生がおっしゃってましたが、もしこれが12歳とか13歳くらいとかの
お子さんだったら、両親や医師が説得して治療を続けるということに
なるのだろうけれど、18歳という大人とも言えるくらいの年齢の華子さんだったからこそ
こういう選択を受け入れるということになったのだろう、と。
晴香は15歳で、また年齢以上に幼いところがあったことと
最後には意思表示などもできなくなっていたこともあり
治療の選択は、親に委ねられる場面が何度かありました。
ほんとうにあれでよかったのか・・・と心が揺れたときに
救いになるのは、やはり子どもからの感謝の言葉なんですね。
華子さんのご両親も、おそらくは後悔されていないのでしょうけれど、
それでも、複雑な気持ちになり心揺れることがあるのかもしれません。
そんな時、華子さんの「感謝しなきゃ」の言葉は、やはりご両親にとって、
救いになるものだとおもうのです。
旅立っていく人が、残してくれる感謝の言葉というのは、残された者たちにとって
その後も大きな意味をもっていくようにおもわれます。
by はるママ (2010-12-10 15:18) 

E・G

はるママさん

このドキュメンタリーは、残念ながら視ていませんが、華子さんは、普通のひとの何十倍もの濃密な時間を過ごされたのでしょうね。感謝という言葉に行き着くまでの内面の葛藤を想います。もちろん、自分を支えてくれた人々への思いはあったでしょうが、はたして感謝の意味するところがそれだけであったのかどうか?

最近、苦しみなき人生というものについて考えます。もし自分がそのような人生を選択できるとしたら-そのような人生を望んでいたはずなのに-なぜか戦慄せずにはいられないのです。その空虚に耐えられないと感じてしまいます。
人生とその苦しみの意味、これからも度々考えさせられる課題となりそうです。
by E・G (2010-12-11 20:15) 

はるママ

E・Gさん
感謝という言葉、番組を見ているときには、家族や医師など身近で支えてくれた人たちに対するものだとしかおもいが至りませんでしが、
もしかしたらE・Gさんがおっしゃるように、もっと深い意味でのことだったのかもしれませんね。
そして華子さんが過ごしてきた18年という年月は、とても濃密なものだったといえるのでしょう。(それは、目に見える形で何かを成し遂げるというものではなく、自分自身の内面や真実なるものへおもいをめぐらすという意味においてですが・・)

人は誰もがたいてい、苦しみから逃れたいとおもうものですが、
皮肉なことだけど、人は苦しみなくしては、大切なことや、人の心、など本当の意味で気付くことができないようになっているのかもしれません。
だとしたら、苦しみもまんざら悪いばかりではないのかもしれない、
そんな風にも感じられてきます。

PS.
この週末時間をみつけてはHPにアクセス。素敵な詩の世界にすっかり浸かってます^^近いうちに感想送りますので、スパムと一緒に削除されないように(笑)
by はるママ (2010-12-12 15:57) 

E・G

はるママさん

こんにちは
おわびとお願いがあります。
メールいただいたようなのですが、どうにも見つけることができません。
HPの空メールを利用されたのですよね(アドレスはあっているのですが・・)
それこそ削除済や迷惑メールフォルダに振り分けられていないか確認したのですが、見つけられず(;_:)
はるママさんのブログの「メッセージを送る」は現在使えないようですが、ぼくのブログのメッセージ送信は使えますので、申し訳ありませんが、再度、ぼくのブログの「メッセージを送る」から送っていただいていいでしょうか?
すみません、お手間をかけます。
by E・G (2010-12-19 10:01) 

はるママ

HPの空メールからではなく、感想をお聞かせ下さいから入って送信しました。
なにか不具合でも生じたのかもしれませんね。
削除済みや迷惑メールフォルダに振り分けられたものまで確認してくださり、
お手数おかけしてすみませんでした。
私のブログの「メッセージを送る」機能は、おそらくso-netのアカウントを
作らないと使用できないのではないかと思います。
E・Gさんのお使いのブログもおそらく同じだと思います。
たまたま、趣味のテニスブログにウェブリブログを使用し、アカウントを
持っていたので、こちらからメッセージ送ることができました。
確認してみてくださいね^^
by はるママ (2010-12-19 16:07) 

はるママ

確認してみたところ、やはりこちらの「メッセージを送る」使用できないみたいです。
ずっとまともに使ってなかったので、気が付きませんでした。
どうして使えなくなってるのかな?自分のところだけ?
設定変更した覚えないのだけど、不思議。。
by はるママ (2010-12-19 17:21) 

E・G

はるママさん

今度は確認できました!(^^)!
いろいろ、身に余る言葉をいただき、ありがとうございます。

また風邪が直り次第、こちらからも!
by E・G (2010-12-19 20:13) 

E・G

あ、クリスマスバージョンになりましたね^^
返信で駄文を送りましたが(1000文字越で2分割しました)、届きましたか?
by E・G (2010-12-22 22:09) 

はるママ

ウエブリブログからメッセージくださったのですね。
今確認してきたら、無事届いていました^^ありがとうございますm(_ _"m)
by はるママ (2010-12-22 22:24) 

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