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ダークマター [科学・宗教]

先日ネットのニュースでも流れていましたが、東京大学神岡宇宙素粒子研究施設内に建設中の
XMASSが、ほぼ完成し、実験の準備段階に入ったそうです。

読売新聞ニュースより
http://www.yomiuri.co.jp/space/news/20100212-OYT1T00164.htm
 「宇宙の23%を占めながら、従来の手法では観測できない謎の「暗黒物質」(ダークマター)を検出する“目”が、東京大学の神岡宇宙素粒子研究施設(岐阜県飛騨市)にほぼ完成した。・・・・」

XMASS実験について、神岡研究所HPにも写真付きで詳しく載っています。
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/xmass/status.html
実験に使われる装置は、思ったよりも小さいのですね。


このニュースに先立つこと10日ほど。
地元新聞夕刊の「科学」欄にも、この暗黒物質(ダークマター)や暗黒エネルギー(ダークエネルギー)について取り上げられていました。
ダークマターって何?ダークエネルギーって??
まるでSF世界のようなネーミング。ちょっと神秘的で好奇心をかき立てられたりもする。
面白そうだったので、記事を切り抜いてとってありました。
ネットニュースよりも随分詳しく書かれています。

記事によると、この宇宙の組成は次のように分析されるらしい。
私たちの知っている物質は全部合わせても、宇宙の全質量の4%程度にすぎず
光も出さず触れることもできないダークマターが23%
残りの73%は今のところほとんど正体がわからないダークエネルギーと呼ばれるものなのだという。

こちらにも、詳しく解説がされています。
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/xmass/darkmatter.html


私たちが見ている物質世界がわずか4%にしかならないなんて。
地球だ宇宙だ、科学だ・・・といって、すべてを見ているかのように、
わかっているかのように思っているものが、ほんの4%にすぎないなんて。
正直言って、驚きを通り越して絶句状態。。

ダークマターについて、考えられる候補として、「理論的には数多い」のだそうだ。
たとえば・・・
*1.超対称性理論で予言される粒子
*2.余剰次元があるとする理論で予言される粒子
などがあるとされている。
これらの粒子は私たちのまわりにもあって、人間の体を1秒間に1億個ほど通り抜けているという。
物質をほぼ素通りするが、たまに衝突することもある。その衝撃をとらえる実験が今回のこの「XMASS」などでも行われるのだという。

このような実験は神岡だけでなく、世界の他の国々でも取り組まれているらしい。
欧州では、なんとダークマターを直接作り出す実験も行われるのだという。
ダークマターって、目に見えないものなのに、作り出したあとでどうやって見るの?
とかよくわからない疑問もわいてくるのだけど・・
やはり、作っても見えるわけではないらしい。


これらの研究実験が成功すれば、謎だらけの宇宙について、新たにわかることがでてくるのかも。
なにせ96%は未知なるものなのだから。
これまでの自分たちの世界がひっくりかえるような驚くべき発見が、もしかしたらあるのかも。
そんなことを考えてると、なんだかわくわくしてくる。。


*1超対称性理論
知られている素粒子にすべてのパートナーの重い粒子があると考える理論。
その中で予言される「ニュートラリーノ」は暗黒物質にぴったりの性質を持つ。

*2余剰次元があるとする理論
空間には4次元以上の次元があるとする理論。
素粒子が点ではなく、ひも状だと考える「超弦理論」では、9次元の空間を考える。

この2の考えは、リサ・ランドールの「ワープする宇宙」でも話題になりましたね。
実はこの本を見て(あくまで読んでではなく見てですが・・)今の物理学はすごいことになってるんだ、
とびっくりさせられました。苦手意識が強く、おそらく一生縁がないだろうと思っていた物理に、関心をもつきっかけになった1冊。

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plant

こんにちは。
詳しい理屈は分かりませんが、理論物理の結果は面白いですね。
SF小説にとりあげた時に説得力を持つのは、基本的な量子力学までかな、と思ったりもしますが。
ところで、以前のコメント欄でおたずねのロゴについて。
後できちんと描き直すつもりで「仮」と注釈したフリーハンドの猫です。
そのうちに中途半端さを含めて愛着がわいてきたので、そのままになりました。
“猫”と“オレンジ色”は、好きな動物と色の組み合わせに過ぎませんが、“そうありたい姿”としての私自身を表している、とも言えます。
by plant (2010-02-15 02:24) 

はるママ

plantさん、nice&コメントありがとうございます!
私も、もちろん詳しい理屈はわかりません。
物理は昔から苦手。とてもとても難しいですから。。
だから途中の過程は飛ばして、仮説や結果だけを見ています(苦笑)

ロゴの説明ありがとうございました。
謎だった「仮」の意味がわかってすっきりしました。
plantさんは猫がお好きなのですね。
オレンジから黄緑へのグラデーションも素敵な色合いですし
何より手書きというのが、いいですね。
私が使っている画像にも、ちょっとした意味があるのですよ。
(これについては、最初の方の記事(プロフィール写真)に書いてますが・・)
写真ではありますが、シーサー自体は娘の晴香が塗ったものなんです。
by はるママ (2010-02-16 19:15) 

akio

はるママさん、こんにちは~♪
ダークマターの件、とても興味深く拝見しました。
ダークマターって、単なる星間物質(光らないので見えない)と思っていたのですが、
どうやら、光(電磁波)と相互作用しない物質というこのとのようですね。

以前に戸塚先生の話で、ニュートリノは地球を通り抜けるという話がありました。
その理由として、ニュートリノは電磁気的相互作用をしないので、
電磁気的相互作用で構成されている原子(陽子や電子)を通り抜けてしまう、
つまり「ニュートリノにとって原子はスカスカ」ということを話しましたね。
おそらくダークマターは、その逆のパターンのように思われます。
すなわち、ダークマターは電磁気的相互作用をしないので、
電磁波である光が通り抜けてしまうと理解すればよさそうですね。

最近ニュートリノに質量があるということが話題になりましたが、
そのことは、質量のあるニュートラリーノなるものの存在にもつながり、
ひいてはダークマターの存在を示唆することにつながると分かりました。
おかげ様で、もやもやしていたことが、合点がいきました。
ではまた~♪
by akio (2010-02-21 14:23) 

はるママ

さすが科学に詳しいakioさんですね。
ちゃんと理論的にも納得されたようですばらしいです。
私は、何故そういえるのか、といったことは、ほとんどわからないままに書いています。
なので、もしかしたら、間違ったこと書いてるかも(^^;)
もしおかしなところを見つけたら、こっそり教えてください~!

ニュートリノについては、以前戸塚先生のブログ(科学入門編)をみて
ちょっとは馴染みがありましたが、ニュートラリーノについて今回初めて耳にしました。
これから実験が進んでいくと、また新たなものがいろいろと発見されていくのかもしれませんね。
とにかくこの分野の研究については、よくわからないけど、気になるので
これからも、注目していきたいと思っています。
また、いろいろ教えてくださいね~!
どうもありがとうございました。
by はるママ (2010-02-21 21:28) 

あきおパパ

私も"ニュートラリーノ"は、初めて聞きました。
ランドセルの"クラリーノ"の新バージョンを想像してしまいました。あはは。

私たちは、電磁波(電波、光、X線、γ線)を用いて宇宙を観測しているので、
電磁波と相互作用してくれないようなものは、観測できないのですね。
でも、重力波を観測できるようになれば、ニュートラリーノも捕らえられるでしょう。
と、言ってはみたものの、よくわからりません・・・
ではまた~♪
by あきおパパ (2010-02-22 12:57) 

はるママ

>ランドセルの"クラリーノ"の新バージョン
おもいつかなかったけど、たしかに似てますね!
子どもたちが小さいころだったら、私も連想したかも~♪

重力波というものがあるのですね。これも初耳。
今はまだ観測できていないようですが、もしできるようになったら
今まで見られなかったものを、見ることができるようになり、新たに何か解明されるのかもしれませんね。
実現できるのは、いつのことかな。私が生きている間に何かわかるといいなぁ。。
by はるママ (2010-02-23 11:32) 

zanki

息子がこの夏休みにスーパーカミオカンデに行って来ました。
東京から日帰りできるんですね。

まだまだわからないことだらけです。
by zanki (2010-09-10 10:33) 

taco

こんにちは
面白い話なのでコメントさせてください
未発見の重力波までいかなくても重力レンズというのはどうでしょうか
エネルギーがその場に在るのなら必ず空間が湾曲する筈ですよね
だとしたらダークマターが電磁気的相互作用するかどうか関係無くエネルギーの存在を確認できるじゃないですか
どうでしょうか
by taco (2010-09-10 20:24) 

はるママ

☆zankiさん
コメントありがとうございます。
息子さん、東京から神岡までわざわざ見学にいらしてくださったのですね。
私は岐阜に住んでいながら、まだ実際に見たことがないのですが
スーパーカミオカンデは、かなり大がかりで迫力あるのでしょうね。

来週月曜深夜にNHKで、ダークマターのことが取り上げられるようですよ。
こちら→http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/yotei/index.cgi
by はるママ (2010-09-11 16:07) 

はるママ

☆tacoさん
コメントありがとうございます。
上の記事や他のコメントにも書いているように
物理は専門外なので、詳しいことはよくわかりません。
今回の記事は、たまたま新聞で見つけて面白かったので
取り上げてみたのです。
私たちが現在見ているのは、宇宙にあるもののほんの一部だけ
あとは目に見えないダークマターだ・・・
なんて言われたら、物理音痴の者でも興味をひかれますからね。
重力レンズというのは、tacoさんが考えつかれたものなのでしょうか。
私には、それがどういうものなのかちょっと想像できないので
なんともお答えできないのですが・
by はるママ (2010-09-11 16:23) 

あきおパパ

はるママさん、こんにちは~♪
重力波のことを書いたのは私なので、tacoさんにお答えします。

おっしゃる通り、ダークマターに質量があるとしたら、ブラックホールと同じように、重力レンズを形成できる可能性がありますね!
重力レンズによる空間の歪みがみつかり、かつブラックホールが原因でないとしたら、それはダークマターの存在を示唆するものになるかも知れません。

ダークマターが集積した場合もブラックホールを形成するのか、もしできるとしたら、それは通常物質のブラックホールと区別できるのか、ちょっと興味があります。

ではまた~♪

PS 重力レンズは、ブラックホールなどの巨大重力の近くを光が曲がって通過するときに生じる現象です。凸レンズを通過する光のように、中心軸に向かって光が集積するので、重力レンズと言われます。
by あきおパパ (2010-09-11 20:16) 

はるママ

あきおパパさん、説明ありがとうございます。
重力レンズのこと、おかげでよくわかりました。

録画しておいたNHKの放送も、さっき見てみました。
いよいよXMASS、来月から稼働するようですね。
日本のダークマター検出装置が他のどこの国より精度が高いのだとか。
ぜひとも検出成功させてほしいです。
by はるママ (2010-09-14 21:26) 

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