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子どもを亡くした親の気持ち [思うこと]

今日はお向かいのkさん宅にお参りにいってきました。
kさんの長男建介君は17歳の時に病気で亡くなられました。
晴香と場所は違うけれど同じような病気でした。
お向かいとはいってもkさんとは2年前までまったく接点がなく
こうして知り合いになりお参りさせていただくようになったことに
なにか不思議な縁を感じます。
縁が繋がったのもまったくの偶然の重なりからだったので
「きっと天国の子供たちが私達が知り合いになるように引き合わせてくれたんだね」
「2人は今ごろ天国で仲良くしてるのかもしれないね」
なんてkさんと2人今日も笑って話していました。
晴香は小さい子だけでなくちょっと年上のお兄さんやお姉さんも大好きだったので
きっと建介君のことも「お兄ちゃん」って呼ぶかあるいは
晴香は大好きな人ほど呼び捨てにしたりしてたので
「けんすけー!」(建介君呼び捨てにしてごめんね!)なんて
生意気に呼んでるかもしれません。

建介君もとっても頑張りやさんだったそうです。
やっぱり学校へ行きたくて 病気と闘いながらも通い続けていたそうです。
ほかにも 闘病が1年あまりだったことや
思春期をむかえた同性の兄弟・姉妹がそれぞれあることなど
共通することがたくさんあります。
特にkさんは私より一年先を歩んでみえるので
私が話すことによく理解をしてくださいます。
私が今感じていることや 思い悩んでいることを話すと
「私も一年前は同じようなこと思っていたよ。」
といってくださって その言葉に
『ああ、私だけじゃあないんだ。こんな風に思うのも自然なことなんだ。』
と安心したりします。
同じような経験をしたものどうし 辛い気持ちも
一年一年微妙に変化していく気持ちやその時その時に抱える悩みや不安も
まるで自分のことのように 分かり合えるような気がします。

子どもを亡くした親の気持ちはやはり経験したものでないとわからないのかもしれません。
まわりの人から なくなった子どものことで傷つくことを言われた
という話をよく聞きますが
言った人も悪気があってではなく 気持ちがわからないから
つい言ってしまうことが多いのではないかと思います。
本人にしてみれば励まそうと思ったりよかれと思って言っているのかもしれません。

たとえば「もうそろそろ納骨した方がいい。あるべき場所に戻してあげないといけない」とか
「土に返してあげなくてはいけない」とか。
こういうことは年配の身内の方がよくいわれるようです。
親の気持ちからすれば 我が子の体の一部であるお骨をなかなか手放せない
冷たいお墓の中に入れるのはかわいそう
そう思うのは自然だし 私も実際に手放せずに今もずっと手元においています。
でも親でない人にとっては昔からの伝統や慣習が大切なのでしょうか。
しきりに納骨を迫られて悩む方も多くいらっしゃるようです。

他にも「もうすっかり大丈夫そうだね。」とかいう言葉。
日常の生活では楽しそうに普通に振る舞ってはいても
心の中では悲しみや寂しさはいつまでもなくなっていません。
そんなときに「すっかり 大丈夫・・・・」といわれるととまどってしまう
という話もよく聞きます。

「貴女は 健康でよかったね 元気に生まれてきてよかったね」と言う言葉。
言われる状況によっては
病気になった子は健康でなくて不幸だということを暗に仄めかすような言葉です。
晴香のことで辛い思いをしているときに実際にこの言葉を耳にして
しばらくの間気持ちが沈んでしまいました。
なにより母親としては元気に生んであげられなかった罪の意識にさいなまれました。
もしかしたらこのときの言葉が頭の片隅に残っていて
今も微妙に引きずっているのかもしれません。
母親の私が悪いわけではないことは理屈ではわかっているし
病気になったことは不運であることには違いないと思います。
でも改めてこういわれると 晴香がこれまですごしてきた日々が
全て不幸であったかのように思われてしまう。
晴香は短いけれど幸せな人生だったと思いたい。
そう思わなくては私も前向きに生きていけない気がします。

「辛いことを思い出させてごめんなさい」と言う言葉。
晴香のことに触れるのは悪いと思ってみえるのでしょう。
晴香が病気になったこと今はもういないこと この事実は決してなくなることではなく
つねに私の頭の中にあるのですから別段そのことに触れられたからと言って
いまさら傷つくとか思い出すとかいうものではありません。
むしろ晴香のことを覚えていてくださって 話してくださる方が嬉しい気がします。
親しい方はその点理解してくださって 時には「あのとき はるちゃんこうだったねー」
なんて自然に話すのですが 少し知り合いという方の中にこういう気を回す方がいらして
こちらの方がむしろ気を使ってしまうことがあります。
そんな時は 普通に思い出話をしてくださった方が嬉しいのになーってよく思います。

経験したものでないとわからない
だからまわりの人のことばを気にしすぎないようにすることも必要かな
とこのごろ思います。
そういう強さも持っていかなくてはいけないと思います。
誰も悪気を持って言っているのではないし。
幸いにもわたしのまわりには理解ある方が多く
傷つくような言葉を言われる方はあまりみえなくて助かっています。
むしろ精神的にも支えてもらっていることが多く感謝しています。

またkさんのように 身近に分かり合える方がいてくださることは
ありがたいことだと思います。
いつも助けてもらって感謝しています。
これからもよろしくお願いしますね。

それからネットで知り合った方々
たくさん勉強させてもらったり 愚痴をきいてもらったり
同じ思いでいると安心したり 嬉しくなったり・・・・・
晴香のことを語ることも少なくなった日常の中で
思いを語り合うことができる場ができたことはとてもよかったと思います。
これからもメールや掲示板に愚痴りに行きますがどうぞ懲りずによろしくお願いしますね。


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コメント 4

ねこうさぎ

こんにちは。
実は、何度も訪問させていただいています。
はるママさんは、周りの方がよい方のようですね。

他人の言葉に傷つく・・、悪気があったわけでなく、励まそうとした善意からの言葉に傷つくのはなぜだと思われますか・・。

私はまだ悲しみのまっ最中なので、冷静になれないので、いつも傷ついているのだと思っていました。

でも、最近読んだ「エリザベス・レーメンの「悲しみがやさしくなるとき」に書いてありました。

「経験しないとわからない。
では、経験するまで知ろうとしなくてよいのでしょうか。経験しない者の多くが、相手を傷つけてしまう大きな原因は無知だと思います。
やさしい気持ちや思いやりだけでは追いつかないのです。
どれだけの苦しみがあるのか、悲しみが終わらないものか、を知らないとき、やさしい人もひどい言葉を口にしてしまいます。」

で、私は、無神経に言葉を発する周りの人を、拒絶してしまう自分を許そうと思っています。

愚痴ばっかりですみません・・。




by ねこうさぎ (2011-02-06 15:12) 

はるママ

ねこうさぎさん、他人の言葉に傷ついた経験
私にもありましたよ。
幸いまわりにはよい人が多くて、それほど度々というわけではないのですが・・
それに、よい人であっても、やはり経験していないことに対しては
本当の意味で理解することは難しいと思うのです。
だからよかれと思って言われたことで、逆に傷ついてしまうことが
起きてしまうんだと思います。
この記事の中にも書きましたが、お子さんを亡くされた多くの方もやはり
同じようなことを感じていらっしゃるようですね。
本にも書かれているように、こういう感情は、子どもを亡くした親がしばしば抱く自然な感情のひとつのようです。
だから、自分を責めるようなことはされなくてもいいんだとおもいますよ。
私はこの本を読んだのはしばらくあとだったので、最初の頃
よく自己嫌悪に陥ってましたけど・・

まわりの人に対して抱く感情・・
これについては、少しずつ変わってきているようにも思います。

経験していないことはわからない、でもそれですませてしまってはいけない・・
相手の立場や気持ちを、想像力を働かせて理解しようと努めること、
これがきっと大切なことなのでしょうね。
すべての人がそうできればきっともっと優しい社会になるんだとも思います。

だけど、これがなかなか難しい。
自分だって、経験していないことに対して、どこまで想像力を働かせて
理解しようとしているのか。
またそう努めようとしても、やはり本当に経験した人のことを
完全に理解することは難しいとも思うのです。
そう考えるようになってからは、あまりまわりの人の言われることに対して
気にしすぎないようにしようと思うようになりました。
少なくともそう努めていこうと。。

大切なことは、他人が自分に対して何を言うかではなく、
亡くなった子どもと自分との関係、
人のことよりも、自分の気持ちがどうなのかを意識していきたいとこのごろではそう思っています。
by はるママ (2011-02-06 22:39) 

ねこうさぎ

そうですね。
他人の言葉にいちいち感情的になってしまって、泣いたりしてる自分に疲れてしまいました。

はるママさんのように、私も緩やかですが、変わっていけそうな気なしています。
今はまだ感情が優先してしまってますが・・。

私も、息子との繋がりを意識していきます。
ありがとうございました。
by ねこうさぎ (2011-02-12 23:23) 

はるママ

ねこうさぎさんは、お子さんを亡くされてまだ半年、
なにも言われなくても悲しいのに、まわりの人から
心ない言葉を言われたら、涙がながれるも当然なのかもしれません。
泣きたい気持ちを我慢しすぎることはないんだと思います。
私も最初の頃は家族の前で泣けなくて、布団やお風呂の中や
車中などで、よく泣いてましたよ。

今はまだ辛くて苦しくても、永遠にその状態が続くわけではない・・
いつかは幸せな気持ちになれる日がやってくる。
時間さえたてば、誰もがというわけではないようですが、
いろいろな本を読み、考え、前向きに生きられるようになりたい、
と願ってみえるねこうさぎさんなら、いつかきっと穏やかに過ごせる日が
やってくると思います。
それまでは、心の中の息子さんと、現実目の前にいる家族と、
そしてご自身のことを大切にして、お過ごしくださいね。

by はるママ (2011-02-13 11:38) 

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